超ゴワゴワ

遊戯王とか見ます。アニメについて考えたり読書したときになにか書くつもりでいます。

最近読んだ本

「現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇」大田俊寛

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高橋和希先生によるゼアルの設定はニューエイジスピリチュアルが元ネタであることが漫画版の9巻で明かされています。

 

最初、高橋先生に「新しいシリーズはアセンションだ!」とアイディアを聞かされ「何じゃそりゃ!」と思ったのが、ついこの間の事のようです。

遊戯王ZEXAL9巻 「ZEXALこぼれ話 FINAL」)

 

アセンション(次元上昇)っていうのは
日本では2007年〜2011年くらいに有名になった「人類の意識が三次元から五次元に上昇する」みたいな主張のことを指します。
なんかもう全体的には?という感じですが
ゼアルには「ランクアップ」という要素で世界観に取り入れられていて、「地球規模でランクアップが起きる」みたいに言うと分かりやすいかなーと思います。
アセンションのように人間を物質的(肉体)・精神的(魂や意識)な面を持つと捉え、魂の進化を目指すみたいな考えの元ネタは、1875年・神智学の時代までさかのぼります。意外と結構歴史のある(?)考えなのです。

 

この本ではこのような思想のかたちを「霊性進化論」と呼び、
霊性の進化をする人」と、逆に「退化していく人」(悪魔とかだらけてる人)や「進化を邪魔をしてくる人」(悪の秘密結社とか悪い宇宙人)の争いという構図が
神智学の時代から1960年代のニューエイジやオカルトブームを経て、オウム真理教とか幸福の科学にどのような影響を与えたのかを探っていくという内容でした。
オカルトと陰謀論の切っても切れない関係性が面白いです。
神智学の流れが詳しく、特に根幹人種の話が詳しいのが助かります。
私みたいな性癖でスピかじってるレベルの人でも読みやすいです。
逆にカウンターカルチャーとしてのニューエイジの起こりや、その後流行するニューサイエンス、それが日本にやってきて「精神世界系」と呼ばれるようになったあとの流れなんかの解説が少ないのはちょっと変な感じでした(別にスピの解説本じゃないし霊性進化の話から逸れるから必要無いのかもしんない)

 

日本のスピリチュアルが面白いなーと思うのは
基本的に思想は仏教っぽいのに世界観とかにニューエイジっぽかったり神智学やスピリチュアリズム由来の要素が混ざってるとこが変で面白く
例えばオウムがニューエイジに影響を受けている部分は霊的進化的な考えよりも
解脱(煩悩を捨てて輪廻から外れること)を目的としてるわりにニューエイジにありがちな多次元世界的な世界観を持つ点や、「アストラル」といった単語を使用する点だと思っているんですが
いま日本でスピリチュアルって呼ばれてるものはほんとにごった煮みたいな状態になってるので、なかなか簡単に説明できない分野だなーとも思いました。
まあそこが面白いんだけどさー…。